朝礼ネタ 交渉術「判断力を低下させる」

コミュニケーションの目的の1つに「相手に要求を伝える」というものがあります。当然、ときには交渉をして、こちらの思惑通りに動いてもらうことも必要です。さて、みなさんは交渉のコツをご存知でしょうか。これには大きく2つのポイントがあります。1つは相手の反応を見ること。そしてもう1つは相手の判断力を低下させることです。今回は、判断力の低下させる方法の例についてお話していきたいと思います。

相手の判断力を低下させるにはどうすれば良いと思いますか?正解は、他のことを考えさせる…ということです。たとえば、人は忙しいときや、他に気になっているときなどに冷静な判断ができなくなります。また、注意を逸らすのも有効です。

過去に心理学の研究者が「道を歩いている人に小銭をねだる」という実験を行いました。このときのパターンは3つ。1つ目は「小銭を貸してください」と言うパターン。2つ目は25セント貸してください」というパターン。3つ目は「37セント貸してください」というパターンです。ちなみに25セントはワンコイン、37セントは中途半端な金額です。

さて、このとき最も小銭をもらえたのは、どのパターンでしょうか。なんとなく想像がつくと思いますが、「小銭をください」が44%、「25セントください」が64%、

そして「37セントください」が75%となりました。私たちは差し迫った状況の中で2つのことを同時に考えることができません。たとえば、「小銭ください」「25セントください」と言われると、「小銭を上げるべきかどうか」を考え、すぐに判断をくだすことができます。一方、「37セント」と言わると、あげるかどうかの前に、「何で37セントなの?」とか「今37セント持っていたかな?」といった別の疑問が生じます。これが判断力を低下させて、金額が低いほうが小銭を貸してもらいにくくなる…という不思議な結果になるのです。

さて、交渉においては相手の反応を見ることも、相手の判断力を低下することも大切になってきます。常日頃から、「どうすれば実現できるか」を考えて、さまざまなアプローチ方法をストックしていきましょう。

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