人間には、2つの思考モードがあると言われています。1つ目は「システム1」と呼ばれる速い思考。2つ目は「システム2」と呼ばれる遅い思考です。
それでは、みなさん頭の中に300円を思い浮かべてもらえますか?おそらく、パッと100円玉3枚が連想されましたよね。私は300円と言っただけなので別に10円玉や50円玉があっても問題ないのですが、なぜか100円玉3枚が連想されます。このように自動的かつ無意識的な思考がシステム1です。一方のシステム2は「47×53=?」などのように意識的に頭で考える思考です。
「人は感情で動き、論理で納得する」という心理特性を持っており、システム1である感情がどのような状態であるかによって、論理や行動が変化します。
たとえば、「ものすごく嫌いな人が、明らかに正しいことを言っていても、受け入れられない」ということがあります。これも、感情により論理的な思考が影響を受けているから、こうしたことが起こります。
このことから「物事を伝えるときは内容だけを伝えれば良い」ということではないことが分かります。情報を伝えるだけでなく心を動かすことが行動を促すためのキーポイントになるのです。