人は、顔を認識する力に優れています。その理由は、他人や動物に出会った場合、敵味方を判断したり、相手の行動、感情などを予測したりする本能的なものによります。その際、相手の顔のどこを見るかというと「目」です。特に目に対しては敏感に反応するため、人は、木の目や車のライトなどのように、点や線が逆三角形に配置されたものを見ると、顔と判断してしまうことがあります。これをシミュラクラ現象と言います。
また、人の顔に敏感であるが故、人の顔を見分ける能力にも優れています。なので、大勢の人混みの中からすぐに知り合いを探し当てることも可能です。また、アメリカで行われた実験で、養子であることを知らない人が親子を見て、「まぁ、口元がパパにそっくり」などと言ったそうです。
このように、人は求めれば自分の欲しい情報を見分ける力を持っています。これは、非常に素晴らしいことなのですが、この力の使い方を誤ると、自分の都合の良い情報だけを選んで抽出してしまうことになりますので、その点だけ注意をして力を振るうようにしていきましょう。