みなさんは「人を誘導する」と聞いて、どのような印象を持ちますか?「誘導できるようになればいいな」と思う方もいれば、「人を誘導するなんて感じが悪い」と思う方もいるでしょう。でも、誘導の技術は、誰もが普段から無意識的に使用しているものになります。
たとえば、私が「あっ!」と言ってドアの方を見れば、みなさんの視線をドアに向けることができます。机を強くたたいて大きな音を出せば、こちらに注目するでしょう。これも誘導の一種です。
また、こうした「言葉や行動による誘導」だけでなく、「環境による誘導」も存在します。たとえばコンビニ。いきなりレジの前を通って目的の商品に向かう人は少ないです。店頭に入ってすぐ雑誌コーナーから大回りをしていく人が多いのではないでしょうか。これはお店の造りによる誘導です。
ビジネスで言えば、「不正行為を行わせない」という誘導も可能です。そもそも不正行為は、お金が欲しいなどの「動機」、不正が可能である「機会」、そして不正行為をとる自分を「正当化」する要素。この「動機」「機会」「正当化」の3つすべてが揃ったときに行われると言われてます。つまり、この3つのうち、どれか1つでも排除できれば「不正行為を行わせない」という方向へと誘導することができるわけです。
ビジネス上で行うあらゆる活動には必ず意図があります。その意図をしっかりと理解した上で実行していけば、人を誘導しやすい環境づくりや、人を誘導しやすい言動を実現することができます。
また、こうしたところを意識しながら行動していくと、自然と「誘導する力」も身についていきます。誘導力を身につけることができれば、職場環境や人間関係、営業、教育、プレゼンなどあらゆる場面でメリットが生じてきますので、ぜひ誘導について真剣に考えてみることをお勧めします。