みなさんは、何のために朝礼スピーチをするのですか?おそらく「当番だから」という方がほとんどだと思います。でも、目的を持って朝礼スピーチを行えば、自分の成長にも繋がりますし、朝礼の参加メンバーの行動を促すこともできます。
朝礼スピーチの目的1 人を動かす
良い朝礼スピーチとは、どんな朝礼スピーチだと思いますか?わかりやすいスピーチ、面白いスピーチ、心に響くスピーチ、共感できるスピーチなど、さまざまな視点があると思います。
私にとって、良い朝礼スピーチとは、人を動かすスピーチです。つまり、スピーチを聞いたメンバーが「自分もやってみよう」と感じたり、実際に行動に移したりしてしまう…そんなスピーチです。
ただし、人を動かすには相当なエネルギーが必要です。たとえば、驚きや謎、共感、期待感などを駆使した感情面への揺さぶりが求められます。その上で、内容への印象を高め、重要感を出す必要がありますし、あなた自信が影響力のある人間になることも大切です。これらをスピーチで実現することで、あなたは、職場において一目置かれた存在になることでしょう。
「人を動かすスピーチ」を実現するには
毎回、スピーチの目的を明確にしましょう。スピーチの目的は「テーマに関する情報を伝えること」ではありません。重要なのは行動させることです。
つまり、自分の話を聞いて、どのような行動をとって欲しいか、どのように変わって欲しいかなどを明確にした上で、スピーチの準備・実施を行うことが大切になります。
私は、たまにスピーチをした人に対して、「今日のスピーチのテーマは何ですか?」と聞くことがあります。すると、大抵の方が何も答えられないか「○○についてです」としか答えられません。これでは、相手の心を動かすようなスピーチはできませんよね。
- スピーチの目的は、人を動かすこと
- 自分のスピーチを聞いた人が、どのように動いてほしいのかを明確にする
- スピーチの目的を定めてから、準備を進めよう
朝礼スピーチの目的2 自分を成長させる
明確な目的を持ち、それを実現させようとすると、それが自己啓発に繋がっていきます。朝礼の朝礼スピーチから学べることは、大きく3つに分かれます。
- 入力・・・情報を収集する
- 加工・・・スピーチの構成や内容を練る
- 出力・・・スピーチする
実は、この3つのスキルを鍛えることも、朝礼スピーチの目的の1つです。
入力(インプット):情報収集
スピーチの源泉となる情報を収集する段階です。ここで大切なのは「自分が感動した話」を仕入れることです。良い話・役立つ話・面白い話など、なんでも構わないのですが、自分が「へぇ~。なるほど」「自分もやってみたい」などと心動かされたものを題材にしましょう。
- 自分が感動(納得)した内容でなければ、人を感動(納得)させることはできない
加工(変換プロセッサー)
情報を収集し、題材を決めたら、仕入れた情報をスピーチ原稿としてまとめあげていきましょう。あらかじめ、スピーチの目的が明確になっていれば、自然と筋の通った展開になるため、内容にブレがなくなります。
ここで重要になるのは伝達力と表現力です。伝達力とは、相手に正しく情報を伝える力を言い、表現力とは、内容を印象付けるための工夫を言います。まず、相手に情報を正確に伝えるのはノルマです。その上で、より印象強く伝えるための構成づくりが「人を動かすスピーチ」の命綱となってきます。
- 重要なのは何を、どのように伝えるか
出力(アウトプット)
最後のポイントは「話し方」です。これも表現力の一部になります。
話し方を軽く挙げるだけでもたくさんの要素があります。
- 感情を込めて話す
- 抑揚をつけて話す
- 動き(ジェスチャー)をつけて話す
- 何かを見せながら話す
- 実演をしたあとに概要を話す
- 口調を普段と変える など
こうした入力・加工・出力を意識して朝礼スピーチを実行すると、段階に応じて情報収集力や要約力、構成力、伝達力、表現力などがどんどん身についていきます。
おまけ:朝礼スピーチのレベル
朝礼スピーチには、いくつかのレベルがあります。
- レベル1:分かりにくい朝礼スピーチ、伝わらない朝礼スピーチ
- レベル2:分かりやすい朝礼スピーチ
- レベル3:聴き入ってしまう朝礼スピーチ
- レベル4:行動に移してしまう朝礼スピーチ
スピーチをする以上、分かりやすく伝えるのは当然の話です。「この人はスゴイ」と思われるのは、レベル3以上のスピーチができる人です。