大切なのは感情を動かすこと
早速ですが質問です。みなさんの小学生時代の思い出には、どのようなものがありますか?少し、思い浮かべてみてください。
もう1つ、質問です。3日前の晩御飯は何を食べましたか?すぐに思い出せますか?
小学生時代の思い出を訪ねたとき、平凡な連続の毎日を上げる人はいません。日常シーンであっても、少し面白い出来事があったり、興味深い出来事があったりと、感情が揺れ動いたシーンを連想する方が多いです。
3日前の晩御飯を思い出すのはなかなか難しいですよね。でも、その晩御飯に関するちょっとしたエピソードがある場合は、すんなりと思い出すことができます。たとえば、「久々にあった先輩と焼き肉を食べに行った」とか、「カレーを食べたいと思って家に帰ったら、偶然カレーだった」といった場合です。
このように、人は感情が揺れ動いたものほど強く記憶します。これはスピーチにおいても同じことが言えます。相手の感情を揺さぶることで、印象強いスピーチをすることができるのです。
すべての感情は驚きから生まれる?
私は、すべての感情の源泉が驚きにあると思っています。驚きというのは、自分が思ってもみなかった出来事があった場合に湧き出る感情です。では、喜怒哀楽などの感情はどうでしょうか。
- 人は、想像しているよりも良い出来事が起きると嬉しくなります。
- 人は、想像しているよりも悪い出来事が起きると悲しくなったり、怒ったりします
- 人は、自分が想像しているよりも面白いことが起きると笑います。
このように、一種の驚きがあるからこそ、感情が揺れ動くのだと思います。大きな声で「ワッ!」と言われて驚くのも「想像をしていないから」です。でも、最初から予想できていれば驚くことはありませんよね。
大きな驚きでも良い、小さな驚きでも良い
人は、自分の思い込みや常識が覆されると驚きます。人は、自分の想像以上のことを知ったり体験したりすると驚きます。それをスピーチで伝えたり、演出したりすれば、あなたのスピーチは、より印象強いものになります。
意外な事実を伝える
- 報酬を与えることで、作業の質が落ちる
- 当たり前のことほど金になる
- メラビアンの法則は、メラビアン本人が否定している
- 江戸しぐさは、江戸時代に無かった
え?まさかスピーチでそんなことをするなんて
- 音楽を鳴らしてみる
- アロマを焚く
- 科学実験をやってみる
- パフォーマンスをする(マジック、折り紙、パントマイム等々)
- 社員全員の周りをグルッと回ってみる
- 普段、声の小さな声で話す人が、突然大きな声を出す
つかみのための驚きは、巨編映画のような涙するような感動は不要です。ほんの少し、小さな驚きだけでも十分なのです。社会の常識や聞き手の想像をほんの少し上回ることを話したり、実演したりすれば、それだけで相手の心をつかむことができます。
スピーチの冒頭に驚きを
重要なのは、冒頭のつかみとして驚きを入れることです。冒頭に驚きがあれば、「え!?それってどういうこと!?」「何が起きたの?」「すごい!」などの感情が湧きあがり、どんどん続きが気になってきます。そのため、冒頭で食いついてもらえれば、それ以降は自然と話を聞いてもらえるようになるのです。