みなさんは「メタ認知」という言葉をご存知でしょうか。これは、「自分自身が物事をどのように認知しているのか」を客観的に見ることを言います。つまり、自分のことを第三者目線で見ることです。たとえば、「自分が物事をどのように知覚しているのか」、「自分がどのような判断を下したのか」、「自分はどのように対象を記憶しているのか」というように、「自分の思考や行動そのものをどのように認知しているのか」を見ることになります。
ところでみなさんは「認知論」という考え方をご存知でしょうか。これは、「人が物事を見るときは、客観ではなく主観で見ている」という考えになります。この考え方は、よくメガネに例えられます。たとえばサングラスをかけて物を見ると、あらゆるものが暗く映りますよね。これと同じで、人は誰しも「主観」という認知のメガネをとおして物事を知覚しているのです。
たとえば、相手のことを観察する際に、欠点ばかりに目が向く人もいれば、長所に目を向ける人もいます。これは、相手の短所ばかり目につくメガネをかけているか、長所が見えるメガネをかけているのかの違いです。つまり、心の持ちようというわけですね。
大切なのは、「自分はどんなメガネをかけているのか」を知り、「どのようなメガネをかければ良いのか」を判断できるようになることです。メタ認知はそのために必要な能力と言えるでしょう。こうしたメタ認知を活用できるようになると、「与えられた仕事」と「自分の能力」を客観的に知覚し、適切な目標設定や意思決定ができるようになるなど、何事においても冷静に適切な判断がくだせるようになります。社会人には必須の能力になりますので、日ごろから自分を見つめる習慣を身につけていくようにしましょう。