今日は、こちらの本の紹介をしたいと思います。こちらは、日本人の知らない日本語という本です。
この本は、日本語学校で日本語を教える「なぎこ先生」の体験談を元に書かれたものです。主に日本語学校に通う外国人との微笑ましいやりとりやちょっとした日本語の歴史・語源・トリビアなどについて書かれています。ちなみに、こちらの本は漫画ですので、活字が苦手な人にもお勧めしています。
個人的に最も印象に残っている話は3巻目で紹介されていた病院でのエピソードです。外国人の生徒さんが体調不良になって、救急車を呼ぶことになりました。その際、通訳としてなぎこ先生もついていったのですが、生徒さんが日本語を話せるということでお医者さんが「日本語が話せるなら通訳のあなたは不要です。私が話します」と言いました。
その結果、どうなったか想像がつきますでしょうか。外国人である生徒さんは、お医者さんの話をまったく理解することができなかったのです。
その理由は、お医者さんが外国人の方に分かりやすい日本語を使っていないことにありました。たとえばお医者さんが最初に聞く「今日はどうされましたか?」という言葉…。生徒さんは、この意図を汲み取ることができません。そこで、なぎこ先生は「どこが痛いですか?」と訳しました。
同様に、「何か心当たりは」という言葉を「今朝は何を食べましたか?」に訳し、さらに、「腹痛」を「お腹が痛い」に置き換えたりもしています。そんなやりとりをしているうちに、お医者さんはうなだれるように「やはり通訳をお願いします」と言ったのです。ちなみに、そのときのなぎこ先生のドヤ顔が非常に印象的でした。
私たちも自社の商品やサービスを紹介する際に、お客様が知らないことを含めて伝えていくことになります。その際、私達が普段から使用している専門用語をそのまま使ってしまうと、お客様に話を理解してもらえなくなってしまいます。話が難しいと、信頼を得られないですし、売上にも繋がりにくくなってしまいますよね。
大切なのは、情報を伝えることではありません。正しく伝わるかどうか。理解してもらえているかどうかです。
そのためにも、自分の言葉遣いを見直し、また、きちんと理解されているかどうか、相手の表情を伺いながら、お話をするよう心がけていきます。
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教育・営業・プレゼンなどの分野では使いやすい朝礼ネタですね。なお、この後に外国人に伝わりやすい日本語のポイントや解説が紹介されています。この解説を含め、10ページ未満の漫画で展開されているので、スッキリと学習できます。1ネタ1ネタが朝礼ネタに使用できるレベルなので、お奨めの本です。
日本人が知らない日本語
日本人の知らない日本語2
日本人の知らない日本語3
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