今日は「初心忘るべからず」に関する1分間スピーチを行います。
「初心忘るべからず」という言葉は
世阿弥が花鏡という作品で述べた言葉です。
この言葉をですね「最初に思い立ったことを最後まで貫こう」というように
捉えている方が多いようですが、実は、そうではありません。
この「初心」という単語は「芸を初めたばかりの、未熟な状態」のことを指しています。
花鏡という作品の中には3つの「初心忘るべからず」を取り上げられています。
1つ目は、芸や修行を始めたばかりの初心(是非の初心)
2つ目は、それぞれの段階で成長していく中での初心(時々の初心)
3つ目は、老後にふさわしい芸を学び始めるときの初心(老後の初心)
ですから、「ふと、初心に帰る」というのとは、ちょっと違いますね。
もし、初心を忘れてしまえば、同じ過ちを繰り返すことになってしまいます。
世阿弥が唱える「初心忘るべからず」というのは
「常に初心を忘れてはなりませんよ」という意味になりますので
ぜひ、覚えておいてください。
=====================================
現代では、「初心に帰る=未熟な状態に戻る」ではないと思います。
辞書で初心という言葉を引くと、
きちんと「初めに思い立った気持ち」という言葉が出てきます。
これは、初志貫徹の初志と同じ意味になります。