人は、「自分が知らないこと」に対して、ストレスを持つことがあります。たとえば、世の中にはマジックが好きな人と、マジックを見るとイライラする人がいます。マジックが好きな人は、驚きという刺激を楽しんでいる人です。一方、イライラしてしまう人は、自分で理解できない現象が目の前で起きていることにイライラしてしまうのです。素直にマジックを楽しめない損な人とも言えますが、見方を変えると知識に貪欲な人とも言えるのではないでしょうか。
基本的に人は、「自分が知っていて、相手が知らない状態」に優越感を感じます。つまり、「秘密」が大好きなんです。同様に、「誰かの秘密を知る」ということも大好きな方が多いです。いずれも、「自分だけが知っている」とか「自分だけに教えてくれる」といった点から、特別感や希少性を感じるからだと言えるでしょう。ちなみに、恋愛でも「秘密の共有」は大変有効な手段とされています。
さて、コミュニケーションにおいては、この「人は秘密が大好き」という特性を上手に利用すると、相手をうまく誘導することができることがあります。シンプルな方法で言えば、「ここだけの話ですが」、「あまり言いたくないのですが」、「○○さんだけに特別お教えします。絶対に誰にも言わないでくださいね」など、秘密であると匂わしながら核心を伝えるというものがあります。
このように、秘密であることを匂わすと、人は、内容に強い興味・関心を持って、話を聞いてくれるようになります。そのため、営業や販売、教育、プレゼンなどでうまく活用することができれば、その成果を向上させることも可能です。ぜひ、みなさんの伝達力や表現力を高めるための選択肢の1つとして、活用してみてください。