朝礼ネタ 交渉術「フット・イン・ザ・ドア」

コミュニケーションの目的の1つに「相手に要求を伝える」というものがあります。当然、ときには交渉をして、こちらの思惑通りに動いてもらうことも必要です。そんな交渉術の1つにフット・イン・ザ・ドアというテクニックがあります。

これは、扉を締められないように足をドアに挟み、下から順番に…、つまり受け入れやすい要求から順番に伝えていく…というものです。

たとえば、海外でこんな実験が行われました。まずは庭を想像してください。アメリカやイギリスなどで見られる芝生の生えたキレイな庭です。そこにボランティアがやってきて、交通安全と書かれた大きな看板を設置させてほしいと頼み込みます。すると、これを承諾する人は17%でした。

なんとかして、その数字を上げる方法はないかということで数字を上げたのが次の行動です。まずは、ボランティアが交通安全と書かれた小さなシールを渡し、家のどこかに貼ってくれとお願いします。すると、家の人はこのくらいのシールなら…と承諾をします。ただ、これが大きな落とし穴です。

その2週間後、別のボランティアが改めて看板を設置させてほしいというと、なんとシールを受け取ったうちの76%もの人がそれを承諾したのです。このように、小さな要求を通し、少し間を空けてから大きな要求をすることをフット・イン・ザ・ドアと言います。

ちなみに、なぜ人はこれを受け入れてしまうかというとイメージの問題です。最初にシールを受け取った時点で、「俺は交通安全に協力したイイヤツだ」という自己イメージが形成されます。すると、そのイメージを保とうとする一貫性の意識が働くので看板の件も承諾した…ということになります。

こうした交渉術や人間の心理には、まだまださまざまな内容があります。こうしたものを知っておくと無理やりではなく、自然に相手を動かせるようになるので、ぜひ習得することをお勧めします。